3人の作曲家による創作の軌跡
音空間プロジェクト Emergent Creative Experience by 3 Composers
3人の作曲家の創作の軌跡を
楽譜など実際の資料や新作へ向けたプロトタイプの展示を通して紹介します
※各日11:00~作曲者自身によるギャラリートークを予定
プロジェクトに寄せて
新潟出身の3人の作曲家が集いました。
大学で師弟関係にあった3人は、音楽の世界の中でそれぞれ異なった道を歩み、独自の音楽性・表現方法を築き上げてきました。
約20年の時を経て今度は同志として、新潟でこのプロジェクトを始めました。
コンピュータを使った表現活動の価値や可能性を、幅広い年代に紹介することを目指します。
この展示が、みなさまの音楽経験を豊かに広げる一助となれば無上の幸せです。
Event Info.
■新潟市美術館
〒951-8556 新潟市中央区西大畑町5191-9
TEL:025-223-1622
FAX:025-228-3051
E-mail:museum@city.niigata.lg.jp
お問合せ先
E-mail: ece3-info@googlegroups.com

清水 研作
作曲家
1961年、新潟市に生まれる。幼少より音に敏感で、風や水の響きに耳を澄ませる日々が、やがて音楽という人生の軌道を描き始める。
ボストンのニューイングランド音楽院および同大学院で学び、さらにハーバード大学大学院博士課程に特待生として迎えられる。在学中から作曲と音楽理論の講義を受け持ち、若くして教育と創作の場に立つ。博士号を取得した後も、知的探究と芸術的挑戦は止むことなく続いている。
1990年、ポーランドで開催された第7回ヴィエニアフスキ国際作曲コンクールにて、審査員全員一致により第1位を受賞(2位該当者なし)。以来、国内外の一流演奏家によって数多くの作品が演奏されている。
2012年、イレクイエム・フォー・フクシマ)が南西ドイツ・フィルハーモニー交響楽団の委嘱により
Konzil Konstanzにおいて世界初演。
2024年、ホルストのく惑星)組曲に呼応する第8楽章<ボイジャー)が新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏により世界初演され、科学と音楽、過去と未来を結ぶ一夜となった。
清水の音楽は、東洋と西洋の美意識、歴史と風景、記憶と未来を繊細に織り上げ、耳を澄ませることで立ち現れる世界を描く。
現在、新潟大学教授、新潟薬科大学及び中国・黒竜江省チチハル大学芸術学院客員教授、日本現代音楽協会会員。

福島 諭
作曲
1977年、新潟生まれ。コンピュータのリアルタイム処理を援用した室内楽曲の作曲/発表を軸に、創作における他者との共創的なあり方、広義の即興性について研究を進める。コンピューターを介在させた独自のセッションを試みるMimizのメンバー。演地
潤一氏との交換作曲作品(変容の対象)は、2009年元旦より開始され、ひと月に1曲のペースで共同作曲を継続している。
CD「福島諭:室内楽2011-2015」(G.F.G.S.Label、2016年)、福島麗秋+福島諭によるLP「Inter-Others」(experimental rooms、2024年)など。
現在 IAMAS RCIC研究員。新潟大学、名古屋造形大学、愛知県立芸術大学、各非常勤講師。
2024年度より日本電子音楽協会(JSEM)副会長。
主な賞として第十八回文化庁メディア芸術祭アート部門
優秀賞、「坂本龍一|設置音楽コンテスト」佳作など。

田口 雅之
電子音楽家
1982年、新潟生まれ。新潟市在住の電子音楽家。日本電子音楽協会(JSEM)会員。
デジタル音響合成による音作りと、アルゴリズムによって生み出される音律、旋律、リズムを組み合わせることで、新たな音楽領域の実現を図る。
2005年に新潟大学教育人間科学部・芸術環境創造
課程を卒業。その後はソロの音楽活動のほか、音空間創造プロジェクト、ANTI MUSIC、ハコラズモなど、グループでの創作活動に参加。ダンスや演劇、映像作品、インスタレーションへの楽曲提供やコラボレーションを行い、新潟市水と土の芸術祭(09,12,
"15)、中之条ビエンナーレ(11)、徳島LEDアートフェスティバル(13)などの芸術祭にて発表の機会を得る。
2016年には手塚眞監督、松崎友紀主演の短編映画
「OKUAGA」の音楽を担当。その後も、同監督の短編映画「e」のほか、「変容」「RESURRECTION」でも一部音楽を担当。
また、新潟市を中心に県内にて継続的に開催されている実験音楽イベント「experimental rooms」にも複数回出演し、ライブパフォーマンスを行っている。

